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ふたえ(二重)まぶたにしたい

上まぶたの美容手術について

はじめに

若年者では、二重まぶたになってもっと黒目を大きく見せたい、腫れぼったい瞼が気になるなど、さらに中高年者では、最近瞼が下がってきて、シワもでき、二重の幅が狭くなってきた、瞼を上げるために、眉を強くあげすぎて、おでこにシワができている、また、眉とまぶたの距離が間延びして老けた印象になっているなど、各世代によってうわまぶたの悩みは尽きないものです。

一方で、美容皮膚科的処置では、このような悩みに関して、大きな変化をもたらすことは困難であるのが、現状です。あらやる世代の上まぶたの悩みについて解決できるよう、手術治療でも上まぶたの悩みに対処いたしたいと思います。

上眼瞼(上まぶた)の構造

瞼は主に

  1. 皮膚
  2. 眼輪筋(瞼を閉じる筋肉)
  3. 瞼板(瞼を形作る軟骨様の硬い組織)
  4. 眼窩隔膜(前頭骨と挙筋腱膜をつなぐ薄い膜で、眼窩脂肪を包み込む)
  5. 眼瞼挙筋(瞼を挙上させる筋肉で挙筋腱膜で瞼板につながっている)
  6. ミュラー筋(瞼を挙上させる補助的な筋肉)
  7. 結膜

以上より構成されています。

一重まぶたと二重まぶたの違いは?

一重まぶたの人は、瞼板や挙筋腱膜と皮膚の連絡が弱いために、眼瞼挙筋が収縮して瞼が上がる際に皮膚は取り残された形になり、やや内側に丸まった状態で、まつ毛も内側に向きやすくなります。つまり二重の方(奥二重も含め)は瞼板もしくは挙筋腱膜と皮膚との連続性があるために、連続している最上方が折り返し地点となり重瞼線となります。二重幅は重瞼線の高さと皮膚の余剰の程度によります。

二重の手術

二重まぶたができるのは、瞼が挙上される際に、瞼板、挙筋腱膜に連続した皮膚が一緒に引き上げられることから、その構造を作り上げることが手術の目的になります。手術には、一般的に埋没法と切開法の2種類があります。

埋没法

埋没法には、主に瞼板法と挙筋法の2つの方法があります。

瞼板法は皮膚を瞼板に縫い付けてしまう方法です。固定位置を増やすほど固定力は強くてなりますが、術後の腫脹は強く、まぶたを閉じた状態では縫い付けた部分が凹んでしまい、目立ちやすいことがあるのが欠点です。

挙筋法は、皮膚と眼瞼挙筋を連結させる方法です。糸を締め上げることなく、余裕を持たせることで、まぶたを閉じた際に凹まないように仕上げることができます。また腫脹も少なく、ダウンタイムの点で優れた方法です。また眼瞼挙筋が挙上(瞼が開く)するのと同時に重瞼線が現れるので、動きに応じたより自然な二重が獲得できるとされます。一方、挙筋機能が弱い人には不適当なため、手術適応には十分な診察が必要になります。

本術式の欠点と合併症

余剰皮膚が多い症例で、重瞼線を高くすると重瞼線より睫毛がわに浅いしわができる事があります。重瞼線を高い位置にデザインした症例や眼輪筋含めた上眼瞼の皮膚が厚い症例、眼窩脂肪が多く瞼板前面にまで降りてきている症例では、重瞼線の消失する可能性が高いです。

埋没した糸の結紮が皮膚から透見できることがよくあります。

合併症としては、糸の露出、皮膚の埋入による腫瘤形成、結膜嚢腫、感染などが挙げられます。

切開法

予定する重瞼線に沿って皮膚を切開し、挙筋腱膜に連続する眼窩隔膜を切開し、皮膚と連続させることで、動きに応じた自然な二重まぶたを作る方法です。埋没法では難しい重瞼幅の作成や、脂肪が原因の腫れぼったい目などが良い適応になります。

本術式の欠点と合併症

術後の腫脹、内出血は強く、ダウンタイムが長いのが欠点です。また、切開することによる瘢痕のため、術後の形態が予想しづらいことや、左右差が出やすいことも、欠点とされます。

埋没法よりも重瞼線の消失が少ないですが、それでも消失する症例は少なからずいらっしゃいます。また術後早期に上方に予定外重瞼線が発生することがあります。

合併症としては、皮膚の埋入による腫瘤形成、感染、眼瞼下垂の顕在化が挙げられます。

眼瞼下垂症

様々な原因によって、まぶたが開きにくくなった状態を眼瞼下垂症と呼びます。まぶたの下りにより、前が見えにくく、日常生活にも支障がでる重症の方や、まぶたの上方が凹んでいるため老けたように見える、まぶたを上げようと、眉を強くあげていることにより、前額部のしわが目立ったり、それに伴う、肩こり、頭痛がひどいといった症状を訴えられるように、その程度は様々です。

若年者の方の場合、一重の方は潜在的に眼瞼下垂症である事が多く、二重手術を受けるだけで、改善する方もいる一方で、二重手術だけでは眠そうな目になることもあります。そのうような方や、見えにくくはないが、より瞳を大きく見せたいかたには、後述する挙筋前転術が良い適応です。

加齢に伴う眼瞼下垂症は大きく分けて、腱膜性眼瞼下垂症と皮膚性眼瞼下垂症、さらに両者同時に発症している事があります。多くの腱膜性眼瞼下垂症は加齢が原因の組織変化です。また、白内障術後に発症する患者さんもいらっしゃいます。また、長期間のハードコンタクトレンズ使用により発症する方も多くいらっしゃいます。手術方法に関しては、十分にシュミレーションを行い、どのような手術方法が適当か十分に検討する必要があります。

挙筋前転術

腱膜性眼瞼下垂症や整容的により瞳を大きく見せたい人が適応になります。

予定重瞼線を皮切します。余剰皮膚が多い場合は同時に皮膚切除も行います。まぶたを形作る瞼板を露出します。挙筋腱膜を確認し、挙筋腱膜を十分に開瞼できる正しい位置に瞼板に固定します。十分に開瞼できているか、また左右差がないか座っていただき確認します。確認後問題なければ瞼板と挙筋腱膜を3箇所固定し、まぶたの形を整えます。最後は二重まぶたを作成し、皮膚を縫合し終了します。

本術式の欠点と合併症

局所麻酔の影響や腫脹のため、術後開瞼幅の左右差がでることがあります。明らかな左右差を認める場合は、術後1週目に再手術を行うことがあります。

また、術後の下垂の再発を認めることがあります。原因としては、目を強く擦ったりなど、瞼への負担が強い場合に起こり得ます。

二重幅の左右差が目立つことがあります。その要因としては、開瞼幅に左右差がある場合や、眉毛の高さに左右差がある場合があります。特に術前にみられた眉毛の高さの左右差が術後にそろうことは稀であり、術後にも非対称が残ることがありますが、この眉毛の左右差による重瞼幅の左右差を完全に無くすことは困難です。

この手術を行うことで、眉毛の位置が下がるため、若返り効果がある一方で、皮膚の余剰が強調され、しわが増えることがあります。後述する眉毛下皮膚切除術を行うこともあります。

合併症としては、低矯正、過矯正、血腫形成、感染などが挙げられます。

眉毛下皮膚切除術

まぶたをあげる力は十分だが、皮膚のあまりによりまぶたが下がっている方が適応になります。また、眼の形態を変えずに、二重幅を広くしたい方も良い適応です。

眉下の皮膚を紡錘状に切除します。仮縫いを行い、座位で開瞼幅を確認し、問題なければ創を丁寧に縫合し終了です。

本術式の欠点と合併症

目頭がわの皮膚が余っている方には適応になりません。また、重瞼作成を同時に希望される方には適していません。

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