耳垂裂
耳たぶが裂けた状態を、耳垂裂といいます。生まれつきに裂けた状態を先天性、何らかの外的要因によるもの(そのほとんどがピアスによる)を後天性と分けることができます。
手術の目的は、裂けた耳たぶを修復することですが、耳たぶの丸い形態を保ちつつ、いかに再陥凹を防ぐかが鍵になります。
先天性の場合は、耳垂そのものの組織が少ないことが多く、手術方法は複雑になりがちですが、後天性の場合、つまりピアスによるものでは、そのほとんどが、組織欠損を伴うことが少ないため、その深さにもよりますが、先天性より単純な手術での治療が可能です。
手術治療
裂けている部分が浅い場合は、単純に縫い合わせるだけで再陥凹なく綺麗に治癒することが多いです。一方、深く裂けていたり、裂けた部分が変形している場合は単純に縫い合わせると、きれいな丸みを再現できなかったり、再陥凹といった問題があります。そういった症例では、皮膚を入れ替える手技(Z-plasty、√plasty etc)を用いることで、整容上、くびれのない自然カーブを作りあげるように行います。
治療による結果と問題点
手術後1~3ヶ月間は瘢痕(傷あと)は赤く、硬くなり、術直後より目立つことが多いです。その後は少しずつ赤みが和らぎ、柔らかくなり、最終的に半年~1年ほどで自然な柔らかい耳たぶになります。
瘢痕(傷あと)は柔らかくなるまでは、縮む傾向があるため、再陥凹による丸みの消失が問題となります。